電気の要らない自動ドア - 有紀

2011.06.24

経営・マネジメント

電気の要らない自動ドア - 有紀

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

牛めしなどを提供する定食チェーンの松屋などでは、手で開けた後、電気を使わずに自動で閉まるドアを導入している所もあるが、今度は、電気を使わずに開閉を自動で行うドアを別の飲食チェーンの王将フードサービスが導入するという。

中華料理店の「餃子の王将」を全国で展開する王将フードサービスは、電気を使わない自動ドアを、7月に大阪府吹田市と石川県金沢市で開業する2店を手始めに導入し、年内に改装や新規開業を予定する50店の内の約半数など既存店にも、この電気を使わないドアを順次広げるという。

このドア「オートドアゼロ」を開発したのは建材メーカーの有紀。床面に埋め込まれた踏み板に体重を掛けると、その重みを利用して床下に設置された機構部によりドアを開ける仕組みで、同社はこの機構の国内特許を取得している。

このオートドアゼロ、電気を使わないということ以外にも幾つか特徴がある。一つは、上部・下部のユニット構成で、デザイン性が高いという点だ。市販のアルミサッシや特注サッシとの組み合わせも可能で、オール鋼性仕上げ、木製仕上げの導入実績もある。普通のアルミ枠のものであれば、見た目は従来の自動ドアと変わらない。あまりにも普通で、これでは電気を使わずに動いていると分からず、環境性能をアピールするのが難しいのではと余計な心配をしてしまう程だ。

もう一つの特徴は、開閉装置が電動ではなく、機構式なのでほほメンテナンスフリーであるという点だ。ドアの重さにもよるが、手でも開け閉めができる仕組みなので、停電時にドアの開閉に苦労するということもない。

経済性はというと、初期投資は電動の開閉装置と比べ割高のケースもあるが、同社によると、電気代やメンテナンス費用を考慮すれば2~5年で回収できるという。

後は、「電気が要らない」という環境性能を買い手がどう評価するかだ。

中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長

調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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