通販会社の乱立するここ福岡では、通販チラシやウェブを制作するクリエーター達が、少々疲弊している。当たったものは、真似ろ、真似ろ、盗め、盗めの繰り返しだからである。仁義もない。忠誠もない。ただ、効率ばかりが求められている。
先月の10日のことである。私のフェイスブックの投稿に名だたる通販商品のランディングページ=以下LPの構成比較図を掲載したところ、100を超えるシェア&500近い「いいね」をいただくスマッシュヒットとなった。そこに連ねられたコメントは、「みんな同じになるわけがわかった」「購買心理を考えたら同じ構成になるのか」など、通販業界の販売促進の手法が、猫も杓子も同じになっていってしまっていることを危惧する声であった。
シェア元=シニアを引きつける!購買意欲を高めるキャンペーンサイトの黄金パターン
そうなのである。いま通販業界では、当たった商品や会社の販促手法を真似することが販促戦略の王道となっている。通販企業の多いここ福岡では、競合商品でありながら、その制作者や仕組みまでもが、ぜんぶ一緒ということも日常茶飯事。通販会社のみんなが、真似て、また真似され、ユーザーから見たら「みんな同じ」に向かっているのである。効率の足し算は、結局、「みんな同じ」である。みんな同じは、みんな同じじゃねぇよと心の底では思っているユーザーから、いつか、飽きられ、そっぽを向かれる羽目になる。
そこで、ウェブコンサルティング会社の覚田義明社長に、隣の真似ばかりが横行するLPの在り方について、ぶっちゃけどうなのよ?と質問してみた。そうすると・・・流石であるっ。通販業界の皆さんには耳が痛いことがいっぱい聞けた。
LPの構成が似てくるのはしょーがないの。
ウェブでモノを買う人達=購入率の高い人達は、普通のホームページなら3ページ~6ページを閲覧する人達であるという指標がある。その事実を元にすると、600ページもあるサイトの重要なページの3ページから6ページを一挙にスクロールして、見せたい順番に並べたのが現在のLP。世の中の折り込みチラシがぜんぶ似てるように、そのレイアウトや構成に大きな違いは作れないので、LPの構成&レイアウトが似ることはいたしかたない。
LPの考え方は、セックスレスで語れるの。
簡単に言うと、LPは、購入率の以上に高いホームページ。購入率を高めるためには、一瞬で共感値を上げ話題を盛り上げること。例えば、同じ歳の子供がいる奥さん達は、その境遇が似ているだけで一瞬に盛り上がるのと一緒。セックスレスな奥さん同士なんて延々と昼間のランチ会でおしゃべりしてるでしょう。
LPの構成やレイアウトは似てくるのはしょーがないけど、この共感値をあげるところのセンスや言葉は、一朝一夕では作ることができない。そこそこの営業マンじゃなく、一流の営業マンのセンスと手法を、とことん研究して、実直に試していかないと形にならない。
そんなとこまで、真似してなんとかなると思っているから、通販業界は、次が見えてこないんじゃないかな。
次のページ技術を知るクリエーター達の育成が今後の鍵。
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通販&ダイレクトマーケティング
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。