面接で人を評価することは可能か？

採用シーズン始まります。
採用の一番大事な局面は「面接」、面接でどこまで人物評価が
できるのか？、不合格になった人達からは「面接でわかるのか？」
「どこまでわかるのか？」といった不安、批判もある。

採用経験が長い人達は、この面接に強い自信を持っている。
対象者が入室から話を始めるほんの短い時間で評価ができる、
その後の面接は最初の評価が正しいかどうかの確認作業だ、
そして結論はほとんど変わらないと言う。

面接は第一印象で評価が決まる

確かに印象でかなり評価できるところがある、人間の性格の全体像
を表わす次の５つの項目は濃淡はあるが、かなり第一印象で推定
できる。
１．開放性
２．勤勉性
３．外交性
４．調和性
５．情緒不安定性
しかし、この人間の性格の評価は「仕事で成果をだせるかどうか」
については正しい評価はできないと言われ、心理学や実験結果でも
「面接評価」の限界が指摘されている。
この第一印象は、以後の面接プロセスで間違った判断を誘導する
ともいわれる。例えば好印象の人は仕事も出来るだろうと勝手に
推定し、そして第一印象が正しいという証拠集めをしてしまう。

仕事で成功をする人について評価する時に、有効なものは
「知的能力」というのが最近の確認されつつある見解だ。
そしてその知的能力を評価するのに、一番不適切なのは「面接」だ
と言われる。
「知的能力」とは学力レベル、知識レベルも含むがそれだけなく、
新しい発想なり、着想なりできるソフト的な能力の高さも包含される。
今後は、創造的破壊のスピードが高まり、想像もできない技術革新
によって既存の技術が淘汰される時代になる。選考する評価基準
もますます高度化していくことが予測される。
ブレークスルーする能力、従来の枠組みを壊し、新しい仕組みを
作り上げる力、個性を持った、創造性のある人材が求められており、
従来のような組織人としてうまくやれ、知識レベルが高いだけでは
難しくなっている。
この事は最近出版された外資系有名企業の採用経験者が書く、
採用方法、採用基準に詳しい。

最近の人気ドラマの主人公

「家政婦のミタ」、「相棒」、「ドクターＸ」の主人公の共通点は
コミュニケーション能力、チームワーク力等に少し？問題がある。
しかし、仕事では才能があり、知識だけでなく問題解決につながる
行動レベルまで含めた知的能力の高いプロフェッショナルな主人公
が活躍する。
この主人公達が採用面接を受ければ、第一印象で組織人として問題
ありと評価され、その印象の悪さで本人の能力も低いだろうと推定
されて、不合格になりそうだ。
コミュニケーション能力、チームワーク力は面接では評価しやすい
ポイントだが、しかし、問題解決能力、仕事の成果を出せるかどうか
等の「知的能力」を評価するのは面接ではなかなか難しい。

今後の採用面接の在り方

第一印象が芳しくなくても、丁寧に全般的な「知的能力」を見極める
必要がある。
今までは大学のレベルで知的能力を評価し、その大学で選抜し、
その中からコミュニケーション能力、チームワーク力等印象評価で
採用するケースが多かったのではないか。企業が成長している時代、
視界がはっきりしている時代はこの採用でも問題がなかったと言える。
これらかは企業にとっては「人財」「個性」「創造的な能力」を
持った人達を採用して革新を進めていかなければ生き残る道はない。
採用選考時の人材評価能力が非常に重要になる。また面接の仕方も
変えていかなければならない
・仕事に対する姿勢
・知識やスキル等本人の持っている全般的な知的能力の評価
・ある想定場面での対処の仕方
・対処の課題、そして課題達成の方法等
構造化して面接する等、面接官の面接スキルをあげ、面接方法を工夫
していく必要がある。
面接の第一印象だけにたよってはいい人材を採用できない。
面接する側が「知的能力」のレベルアップをする必要がある。
「自分の能力以上の人材は採用できない」