「組織変革」という言葉の意味するところは、多岐に渡っているが、最も重要なことは…
「組織変革」という言葉の意味するところは、多岐に渡っているが、最も重要なことは、
「世の中の変化に柔軟に対応できる組織に変えていく」ということだと考える。
長い間に、構成メンバーは気心の知れた人ばかりとなり、
仕事の内容も決まった手順で処理していくオペレーション(いわゆる”回していく”)業務が
中心になっていく。
次第に思考のパターンは硬直化し、周囲の変化に対する感受性はにぶりがちになる。
あらゆるものを刷新の対象として、今を回す視点から、
将来を予測し未来価値を軸にした視点へと組織内の焦点を変えていく必要がある。
二つ目には、社内の特に管理職のものの見方考え方を、
BAD&NOからGOOD&MOREへと変換させる必要がある。
BAD&NOとは、課題中心の考え方。
あれも駄目、これも駄目と社内の各分野のうまくいっていない点を整理し
解決を志向していく考え方。
それに対してGOOD&MOREは、まずはうまくいっていることに着目し、
その理由を明らかにし、それを源泉にもっとうまくやっていくには
どうしたらいいかを共に考えるというスタンス。
「変革」という二文字から来るニュアンスから、
どうしても変えなくてはならないことに意識と目がいき、
うまくいっていないこと、課題を解決することに思考は費やされてしまう。
それがかえって悪循環となってスパイラル上に落ちていく例も少なくないのである。
三つ目は、社内の隅々に渡って、
経営戦略、事業戦略などの「戦略」について理解し行動していく
「戦略志向」の風土に変えていくということ。
上層部だけが戦略を考え、現場はそれを実行するという役割分担は
分業体制としていいように見えて、大きな危険をはらんでいる。
言うまでもなく、生の顧客情報や市場の変化の兆しなどに直接触れているのは
現場の社員達であり、往々にして上層部は生の情報に疎いものである。
現場の社員こそ戦略の重要性を理解し、
現在取り組んでいる戦略と刻々と変わる情勢に照らした
転換のための情報提供を上層部にしていく姿勢が必要になる。
人事評価制度と、事業の基本戦略とをリンクさせることや、
戦略策定や目標設定への現場社員の関与のさせ方を十分工夫することによって、
戦略志向の人と組織を作っていくことが必要になる。
「組織変革」の意味を再度まとめると、次の3つのことになる
1. 世の中の変化に柔軟に対応できる組織に変えていく
2. 管理職のものの見方考え方を、BAD&NOからGOOD&MOREへと変換させる
3. 社内の隅々に渡って、「戦略」について理解し行動していく「戦略志向」の風土に変えていく
組織変革
2013.01.22
2013.01.16
2012.12.26
2012.12.18
2012.12.12
2012.11.28
2012.11.13
今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。