一年で一番、昼が長く、夜の短い「夏至」。2016年の「夏至」は今日、6月21日です。
今日は二十四節気のひとつ「夏至」です。
一年で一番、昼が長く、夜が短い日です。太陽の動きからすると、一年のちょうど折り返し地点にあたります。「冬至」と比べると日の出から日没までの時間に4,5時間もの差があり、北海道では8時間半、本州でも9時間半ほどしか夜がありません。
日本ではあまり「夏至」をお祝いする習慣がありませんが、冬の長い北欧では大切な祝日です。白樺の葉や草花で飾ったポールを立て、かがり火を焚いて一晩中踊り明かす夏至祭は、少しずつ形を変え北欧の各地で盛大に行われます。北極圏に近い地域では真夜中も太陽が沈まない「白夜」となりますので、夏至祭には多くの観光客が訪れ「沈まない太陽」を肴にお酒を飲むそうです。逆に、北欧の人々にとっては「夏至」から夏になるという認識なので、この日から夏休みに入る人も多く、都市部はかなり人が減ってしまうそうです。
北欧の夏至祭はキリスト教伝来以前の伝承にもとづくお祭りなので、トロールなどの妖精も大活躍します。おそらく世界で一番有名なトロールである「ムーミン」シリーズにも、「ムーミン谷の夏まつり」という一冊があります。この中で描かれる夏至祭もとても印象的でした。かがり火を囲むお祭りや、七種類の野の花を摘んで、後ろ向きに井戸に向かい、井戸をのぞくと将来の結婚相手が見えるという伝承などがでてきます。もっとも衝撃だったのは、夏至のイブに、スナフキンがニョロニョロの種をまくとニョロニョロが生えてくるという場面でした。北欧の「夏至」には、目に見えない特別な力があるようです。
日本で夏至祭を行うところもあります。伊勢市の二見興玉神社では、二見浦の夫婦岩の真ん中から太陽が昇る「夏至」の日に、夜明け前から海に入り日の光を浴びながら禊(みそぎ)を行います。もっとも、こちらは完全に神事なので、前日から修法が行われる厳粛なお祭りです。
もっと気楽に日本で夏至祭を祝いたいという方には、2003年から続いている「キャンドルナイト」がおすすめです。これは、夏至の日の夜、午後8時から午後10時の2時間の間、照明を消してキャンドルを灯し、緩やかにゆっくりとした時間を過ごそうというイベントです。もともとは節電を呼びかけるイベントですが、キャンドルの灯りには癒し効果があるそうなので、これを機に試してみるのもいいかもしれません。
長い時間、太陽にあたためられた海や大地の熱が、これからの夏の暑さを作り出します。「夏至」を迎えると、いよいよ夏本番です。
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