起業講座4:ASPアワード2010に選ばれたサービス(2)

『INSIGHT NOW!』勉強会のなかから、インキュベーション事業を行うPE&HR株式会社が開催した会の特別レポートです。本勉強会では、特別講師として、投資先のなかでも、成長著しい注目のベンチャー起業家4名が招聘されました。「ベンチャー企業の生成と発展」のメカニズムを解明し、『起業の本質』に迫った当日の内容から、PE&HR社にレポートいただき、読者の皆さんに公開いたします。

第4回 株式会社ショーケース・ティービー 
代表取締役 CEO 森雅弘氏

※株式会社ショーケース・ティービーHP( http://www.showcase-tv.com/
※本原稿は2010年1月30日に開催した勉強会での講演と質疑をもとに編集しています。
※株式会社ショーケース・ティービーに関する記事
http://www.insightnow.jp/article/5089

 株式会社ショーケース・ティービー(以下、SCTV社)は、2005年11月から企業の販売促進プロモーションに使える動画のパッケージサービスの提供を中心に業務を開始。あくまでもお客様の売上アップに直結する販売促進サービスの提供を目指し、これまで蓄積してきた制作や販促のノウハウを凝縮したサービスだった。

「24時間365日働く営業マンというコンセプトで、『ベストセールス24』という名前をつけました。どこの会社にも売れる営業マンがいますが、そのTOP営業マンのセールストークを再現した自信作でしたが、当時はびっくりするくらい売れなくて大変でした(笑)。」

 パッケージサービスの場合、安く速く動画を制作できるメリットがある。ただし、仕様が決まっているため、顧客毎のカスタマイズは難しい。実際に営業してみると、カスタマイズしたいという顧客の要望が強かった。

「動画は販売促進には絶対に有効な手段です。しかし、その費用対効果が問題です。そこでパッケージ型の商品を開発したのですが、お客様がイメージしている動画と本当に費用対効果が高い動画とにギャップがあり、非常に苦戦しました。2005年から2006年頃は、なかなかサービスが売れないという状態で赤字が先行し、これはやばいぞと感じていました。」

■サービス開発のための資金調達
 森氏は、もう1つの新しいサービス『ナビキャスト』(※1)の開発を考えていた。せっかく『ベストセールス24』などの動画を制作しても、それを見てもらわなければ全く意味がない。従って、その動画まで的確に導いてくれるナビゲーションのサービスが必要だと思ったからだ。
しかし、それには開発資金を新たに調達する必要があった。『ベストセールス24』の販売苦戦が続く2006年の夏頃から本格的な資金調達の活動を開始した。当時、ベンチャーキャピタルを中心に30~40社のアタック先をリスト化して、新規開拓営業をするようにアプローチしたという。

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