パリーグは勝者が決まり、セリーグは激戦中のクライマックスシリーズ。 中でも、落合監督の「仕事」に対する姿勢は感心するものがあります。 プロ野球ファンの一人として、プロ野球の発展を願いながら、監督業を組織論で考えてみました。 前編の続きになります。
落合監督を「雇われ経営者」として「すごいなぁ」と思う点で、前編では
1.組織(チーム)を動かすのは「ニンゲン」であることをよく理解している。
2.「その世界の常識」に囚われない。
をあげました。
しかし、それよりも何も、「きっと彼はそのことをわかっており、わかっているだけではなく、そのことを達成するために100%の力を使っている」と思うことがあります。
それは、
3.「組織(チーム)とともに、選手が幸せになるためにはどうすればよいか」。この目的からブレがない。
ここなんです。
組織を長い間「良い状態」で保っておくために、「雇われ経営者」としては、一番考えなければいけないアタリマエのことなんですが、なかなかブレがなく実行できる人はいませんよね。
組織の中で、選手が幸せになるにはどうしたらいいでしょうか?
それは「自分の(あるいは、自分にしかない)実力を100%発揮でき、そして給与があがること」ですよね。
※余談になりますが、彼は「守備や代打だけに際立った能力を発揮するの選手」の価値をしっかり認め、相応の給与を払うよう、球団側に要望しているとも聞きます。
給与があがるためにはどうすればいいでしょうか?
これも決まっています。組織の業績が良くなることです。
プロ野球で言えば、常にお客さんが沢山入る球団に成長させることでしょう。
では、お客さんが沢山入るためには?
これもさらに決まっています。常勝軍団に育て上げることです。
A.自分の(あるいは、自分にしかない)実力を100%発揮でき、そして給与があがること。
前編でも書きましたが、中日の練習量は12球団一と言われています。
楽して実力が100%発揮できる自分になれるわけがありません。
実力なくして給与が上がるわけもありません。
自分の(あるいは、自分にしかない)実力を100%発揮でき、そして給与をあげる自分になるためには、練習しかないんです。
この当然のことをしっかり選手に叩き込んでいる姿が目に映ります。
B.組織の業績が良くなること。
さらっと述べましたが…
「組織全体の業績より個人の給与」。そう考えて、スタンドプレーをする個人を認めている組織も多いのではないでしょうか。
セクショナリズムは良くない、と口では言いながら、自分がセクトの長になると、「セクトの仕事」と定義されたもの以外は引き受けない(やろうとしない)人も大勢いるのではないでしょうか。
あえてキッパリ述べますが、
サラリーマンを幸せにするのは、給与です。
給与を良くするには、会社の業績を第一に考える自分であることです。
そして結果的に、このような成員が多い組織は、業績も上がり、成員の給与もよくなります。
次のページC.常勝軍団に育て上げること。
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