8回までパーフェクトピッチングをしていた投手に9回リリーフを送った落合監督ー。 一ファンとして、震えるシーンでもありましたし、個人の感情としてもそうして欲しかった、という想いでした。 “落合監督は名「雇われ経営者」”そんな記事を書かせて戴きましたので、今回の件について、触れないわけにもいきませんー。
中日ドラゴンズが日本一を達成した1日の試合、8回まで1人のランナーも出さず、完璧に抑えていた山井投手に、リリーフを送った落合監督。
2日の各紙、およびインターネット上では、賛否両論、いろいろありました。
僕は賛成であり、感想としては「よくやってくれた、落合監督」という言葉をかけたいと思います。
実際、テレビを1回からずっと見ていて、8回、中日の攻撃が終わったとき、
「岩瀬投手に替えてくれ、落合監督」
そういう気持ちの自分がいたんです。
補足するならば、1999年、中日がセリーグを制覇した1年間、33試合も球場に足を運んだほどの、熱狂的な中日ファンである自分が、そう思っていたんです。
“落合監督は名「雇われ経営者」”として、こんな記事、続いてこんな記事を書いた僕ですので、今一度、球団を預かる経営者として落合監督を眺め、パーフェクトの山井投手を交代させた彼に見る「やはりすごかった」と思う点を書いてみたいと思います。
1.従業員(=選手)の幸せは、日本一になること。この従業員の想いに応えることに専念した。
経営者は、従業員の総満足度を高めなければいけません。
今年の中日ドラゴンズの選手達が一番求めていたこと…それは明らかに、日本一。
個人の記録云々より、for the teamをより強く思っているのは、選手全員から感じ取れました(そういう従業員を育てたことそのものもたいしたものだと思います)。
山井選手は、結果的に8回までパーフェクトでしたが、7回に外野に飛んだ飛球が2本。6回までトータルしても1本しか外野への飛球がなかったにも関わらず…。
これを見て、限界が近づいてきたことは、テレビで見ている僕も感じました。
そんな状況、プラス、1-0という点差。経験的な確率論から考えると、「替える方」が「替えない方」よりも、抑える確率が高いと見て取れました。
もちろん、岩瀬選手と言う、絶対的な守護神がいるから、なのではありますが。
(いないとまた、状況が異なりますのでなんともいえませんが、与えられた人的リソースの中での最大効用を考えるのが経営ですので、「岩瀬選手がいなかったら」という話はここでは抜きにしても差し支えないでしょう)
目的を達成するために、いっときの、一部署や一個人の「すごいこと」に必要以上の肩入れするのではなく、全体最適を考えた、これはやはり「名経営者」の手法と言えましょう。
2.長期的な株主(=ファン)の期待を感じており、それに応えた。
次のページ3.「信念」にブレがなかった。
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