ロジカルシンキングスキル全般を「直感でわかる」ようにお伝えしていきます。今回は仮説思考を解説します。
前回は 「後悔したことがあれば仮説は絶対にわかる」で後悔と仮説構築は似ているということを解説しました。
今日は、セカンドステップです。
また、誰でもしたことがあることをヒントに仮説を捉えていきます。
今度は、期待です。私はいつも学生に「何かを期待したことがあれば仮説は立てられるよ」と言います。
期待するというのはどんなことなのでしょうね?
わかりやすいのはいわゆる「中二病」的期待です。誰でも中学校二年生ぐらい思春期の時に患う病。これを患っている時に抱く期待はけっこうすごいものがあります。思い出せますでしょうか?
クラスの憧れの女の子に話しかけられれば、「ひょっとしたら告白されるかもしれない」とか。
先生に呼ばれたら、「ひょっとしたらいい成績だったと褒められるかもしれない」とか。
「ひょっとしたら犬のぬいぐるみみたいなやつが現れて、魔法少女になって欲しいんだと言われるかもしれない」とか。
「ひょっとしたら、実は特別な血を引いているというお告げがあるかもしれない」とか。「ひょっとしたら空から女の子が降ってくるかもしれない」とか・・・。
ごめんなさい。悪ノリが過ぎましたね。
ただ、分かって欲しいのは、普段の出来事の中に、なにかしら、ちょっとした期待を抱きながら生きていたりしませんか?ということです。
これは何も現代人だけではありません。昔の人も期待を抱いて生きていました。たとえば中国の古典で韓非子の「守株待兎」、いわゆる「まちぼうけ」というやつがあります。
野良仕事をしていたら、兎がやってきて、木の切り株にぶつかって倒れてくれて、難なく兎を手に入れることができた。それがまた起きると「期待して」ずっと待っていたら兎は取れず、作物は育たなくて笑いものになってしまった、というお話です。
少しまとめますと、ここで言いたいのは、結果はともあれ「期待を抱く」ということを、妄想的だろうと現実的だろうとやったことがあれば、仮説を思い付くベースとなる能力はあるということです。
ビジネスに寄せて考えますと、ベンチャー企業の経営者は仮説を作るのが得意である場合が多いですね。これは会社と自分が一心同体だからでしょう。会社の経験はほぼ自分の体験であり、いろいろな良いことや悪いことが起こった。だから、会社に関することで、「こんなことになればいいなあ、あんなことになったら嫌だな」と四六時中期待しているんですね。
期待に関してまとめると、「誰でも何かが起こること期待することができる」ということです。
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2015.06.18
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。