リーダーシップとマネジメントは、「=」ではありません。環境や経営状態が厳しい今こそ真の「リーダーシップ」を発揮しなくてはなりません。
環境の変化に対応することが、「リーダーシップ」の最も重要なミッションです。
環境を考えていく時に、マーケティングのフレームワークとして有名なのは、「PEST分析」、「3C分析」、そして「SWOT分析」です。
3Cとは、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの観点から考えようということ。
Customer(顧客)は、「市場」という意味合いも含めて使われているのではないでしょうか。
分析は、先人の考えた、よくできたフレームワークがたくさんあり、それを駆使すればいくらでも立派なレポートができます。
しかし、問題は、それらの分析を元に、どうこれからの方向付けを「決断」するかです。
リーダーシップがなく、目先のマネジメントに夢中になっている状態を、ある人がうまい表現をしていました。
「沈み始めているタイタニック号のデッキで、椅子を効率的にきれいに片付けているようなものだ」
『船の進んでいる方角が、全然違っているのに、「燃料を多く入れろ」とか「もっと一生懸命漕げ」と、船員にハッパをかけたところで、全然違う場所に早く着いてしまうだけのことになる』
リーダーシップとマネジメントの意味合いの混同は、今に始まったことではありませんが、しかし、言葉の定義が行動に与える影響も小さくありません。
ピーター・ドラッカーは次のように定義しているようです。
「マネジメントは物事を正しく行なうことであり、リーダーシップは正しい事をすることである」
「7つの習慣」で著名なスティーブン・R・コヴィー博士は、
「マネジメントは成功のはしごを能率よく昇ることであり、リーダーシップはかけ違っていないかどうかを判断することである」と言っています。
環境が厳しくなり、業績も厳しくなってきた時、マネジメントに意識を集中してしまいがちです。
「一件でも多く新規を獲得するように、飛び込みの件数を増やせ」
「リピート客を増やせるように、目の前の仕事に集中しろ」
「社員のやる気を喚起するために、インセンティブの額を大幅増額しよう」
等々・・。
しかし、厳しくなってきたときは、リーダーシップが重要になります。
今やっているそのことが「正しいことなのかどうか」が重要になるのです。
道路地図よりも、はっきりとしたビジョンや目的地。
そしてコンパス・羅針盤が重要になります。
まずは「リーダーシップ」を発揮して、今進んでいる方向が正しいのかどうかを考えることに集中すること。きちんと「マネジメント」するのは、その後です。
この時期、非常に重要なことです。
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。