リーダーシップという機能が果たさなければならない主な仕事は何か。
先日、2日間で、某社の次世代幹部研修のファシリテーターを務めた。
リーダーシップ~マーケティング~製品・技術~組織・人事~業務プロセス~財務・経理の6つの分野について、複眼で経営全般を見て、変革ストーリーを考えるという現役の社長でも難しい総合研修に挑戦。
迫真のケースを読み込んで、経営者のリーダーシップのあり方を考えるところから研修はスタートした。
リーダーシップは、身近な問題として受講者の皆さんにとっつきやすいテーマと考えて、冒頭の課題としてプログラムを組んだのであるが、以外にも最も苦戦したのは、このリーダーシップについてだった。
傾向ははっきりしていて、経営者のリーダーシップの問題点を、「役割を果たしているか?」という視点ではなく、性格や人間性の問題としての捉え方が先に来てしまうということ。
曰く「感情的である」 「他責である」 「思いやりがない」 「柔軟性がない」等々・・・。
このことは、経営者に対しての社員の見る目というものが、まずはその「人柄」に向いているということを示している。
そして、もう一つは、リーダーというものの組織内における「機能」としての理解が十分ではない、ということだ。
リーダーの人柄、人格も大きな影響力を持つこととして重要であるのは当然なのであるが、まずはリーダーというものが何をすべき人なのかという、「機能」を学ぶことは必要なことである。
という実態からすれば、組織内の機能としてのリーダーシップについて、受講者の皆さんに詳しく学んでいただきたいところであるが、今回は何しろ全体を万遍なく学んで、相互の関係を理解し「変革ストーリー」を描くことが研修の目的ということで、グッとこらえて、次の単元に進んでいかざるをえないのが、何とも残念であった。
しかしながら、今回の変革ストーリを考えるという取組全体そのものが、本来リーダーがリードしていくべきものであり、この取り組みの中にもリーダーの役割が凝縮されている面もあるので、全体を通じて感じていただいたのではないかと楽観的に考えているところである。
【リーダーの主な仕事】
1.組織の存在目的や理想像を明確にすること
2.その組織ならではの価値観を決定すること
3.内外との信頼関係を築き上げること
4.将来ビジョンを示すこと
5.正しい決定を下すこと
6.メンバーを教育すること
7.危機に対処すること
人事組織
2013.09.25
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。