「ジャック・ウェルチ リーダーシップ4つの条件」を久々に読み直してみて、 「最も優れたリーダー」についてのジャックウェルチ流の定義が刺激になった。 最も優れたリーダーは、境界のないスタイルを備えている。
「ジャック・ウェルチ リーダーシップ4つの条件」を久々に読み直してみて、
「最も優れたリーダー」についてのジャックウェルチ流の定義が刺激になった。
最も優れたリーダーは、境界のないスタイルを備えている。
「境界のない」とは、リーダーシップに対するオープンで率直なアプローチを表現するウェルチ独特の言葉だ。
境界のないリーダーとは、ビジネスを定義するのは顧客であるとわかっており、変化を支持し、官僚主義を嫌い、自分ならやらないことを部下に求めず、際限のない活力と能力に溢れている人物である。
この定義の中で最も重要であるのは、「変化を支持し、官僚主義を嫌う」という点であろうと思う。
経営者は、決まって「うちの管理職は変化に鈍感だ」「うちの管理職は言われたことしかやらない」などという不満を抱えている。そうした不満を組織上の前向きな課題に置き換えて、「自律的な管理職を育てたい」という目的で管理職研修をする。
しかし、よく考えてみると、誰が変化に鈍感な官僚主義の管理職にしてしまったのか?である。
たいていの場合、不満を言っている経営者自身が、そうした管理職を大量生産している元凶なのである。
経営者自身が、変化を歓迎し、官僚主義を廃する意識があり、日頃から管理職に対してそのことを要求し続けていたとすればそうはならないのである。
「ジャック・ウェルチ リーダーシップ4つの条件」の中に、4Eリーダーシップの原型となった「GEにおける真のリーダーシップモデルの12の特性」が掲載されている。
この中にも、「変化を歓迎し、官僚主義を軽蔑する」という項目が入っている。この12の特性を読んでいて感じたことはたったひとつ。
経営者自身が、この12の特性を身につけ、管理職にそれを要望し続ければ、一朝一夕にはいかなくても、亀の歩みであっても理想に近づけるはずなのではないか。
☆強力なリーダーは、誠実な人格者である。
最も優れたリーダーとは、最も信頼できる人物である。
☆強力なリーダーは、ビジネスの能力/洞察力を持っている。
彼らは、ビジネスに対する本能的な嗅覚を持っている。それが、彼らを導くガッツである。
☆強力なリーダーは、グローバルに考える。
ウェルチが最初に全社的に取り組んだのはグローバリゼーションだった。彼は全てのリーダーに対してグローバルな思考を求めた。
☆強力なリーダーは、顧客中心主義である。
彼らは、ドラッカーの教義を理解している。すなわち、ビジネスの目的を決定するのは顧客のみである。
☆変化を歓迎し、官僚主義を軽蔑する。
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。