サービスや営業の評価向上を科学する!磨くべきはQCDなのか?

画像: altiemae

2014.03.25

経営・マネジメント

サービスや営業の評価向上を科学する!磨くべきはQCDなのか?

松井 拓己
松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

「素敵なサービス」「気の利く営業」「頼れる会社」そう言って頂くためにどんな努力をすべきか?そのためには、QCD(品質・価格・納期)や知識、商品力を磨いているだけではダメだということが分かりました。お客様からの評価対象を2つに分解することで、そのヒントを見つけたいと思います。

「もっと早く!もっと安く!もっと高品質に!」営業も、商品も、サービスも、どの現場でもこの言葉が飛び交っています。お客様に喜んで頂くことは、売上向上やCS向上に直結します。そのための企業努力は尽きることはありません。しかし、そのために我々が普段している議論にはどうやら盲点がありそうです。

お客様のご要望にただ応えるだけでは喜んで頂けない今の時代。一歩先行く顧客対応を実現するためには、どんな努力をしたらよいのでしょうか?経験やセンスも必要かもしれませんが、お客様がサービスの何を評価しているのか、その評価対象をサービスサイエンスの視点で科学することで、お客様からの評価を組織的に高めるための努力のポイントを見出してみたいと思います。

■我々サービス提供者は、ついついQCDを気にしてしまう

我々サービス提供者は、ついついサービスの成果にばかり気が行ってしまいます。

「商品やサービスの品質はお客様のご要望通りだったか?」
「お客様をお待たせすることはなかったか?」
「コストパフォーマンスには納得頂けたか?」

確かに、お客様から寄せられるクレームや苦言もこの類のものが多いかもしれません。

「こんなもの頼んだつもりはない!」
「いつまで待たせるんだ!」
「こんなに払ったのに!」

ついつい我々もこの言葉を頂いて、お客様はサービスの成果に敏感なのだと思って、QCD(品質・コスト・納期)についての議論に終始してしまいます。しかし本当にそれでお客様からの評価が高まるのでしょうか。自分自身がお客様の立場で他のサービスを利用するシーンを思い返してみると、どうもしっくりこないのではないでしょうか。

そこで、お客様はサービスの何を評価しているのか、少しロジカルに理解してみる必要がありそうです。

■お客様はサービスの何を評価しているのか?

サービスサイエンスでは、サービスの評価の対象を2つに分解しています。それは、「サービスの成果」に対する評価と「サービスのプロセス」に対する評価の2つです。そしてこの「成果とプロセス」の両方に対する評価を高めなければ、お客様からの評価(CS:顧客満足)は高められません。

ここで言うサービスの成果の評価とは、先ほど触れたQCD(品質・コスト・納期)や知識、商品の機能など、結果に対する評価です。営業やサービスのプロとして、この辺りの業務改善やスキル向上は、とことんやってきています。一方で、サービスのプロセスの評価とは、スタッフの印象、対応の親切さや柔軟さ、プロとしての安心感など、サービス提供中にお客様が感じる評価です。

次のページ■お客様はサービスのプロセスに敏感なのに

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松井 拓己

松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。           代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新

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