顧客満足向上(CS向上)活動やサービス改革活動がなかなか上手くいかず悩まれている方が多いようです。こういった活動はどこでつまずくのか?そしてその対策は?このよく頂くご質問について、サービスサイエンスの視点も織り交ぜながら整理をし、活動推進におけるポイントを考えてみたいと思います。
顧客満足やサービスはどうしても精神論的なアプローチになってしまって、「活動をどう進めたら良いのか分からない」「活動しているのに、明確な成果が分かりにくい」など、本当の意味で経営に貢献するような活動として推進するには、いくつかの壁がありそうです。
以前の記事で「CS向上活動・サービス改革でぶつかる3つの壁」のうち2つについてお話をさせて頂きました。そこで今回はいよいよ3つ目の壁について触れてみたいと思います。
■お客様に「ありがとう」と言って頂けるのは嬉しいが、経営に貢献しなければ意味がない
3つ目の壁は「活動しているのに経営が納得するような成果に繋がらない」というものです。
CSやサービスに関しては「お客様に喜んでいただいていれば、いつかきっと良い成果に繋がるはず」「顧客満足度向上やリピーター増加を目指すけど、成果が出るのは随分先の話だよね」と、ついつい成果に繋がるイメージが曖昧なままに活動を進めてしまうことがよくあります。しかしやはり、いつになったら経営貢献に繋がるのか分からない活動にメンバーを巻き込んで、活動を継続することは容易ではありません。活動の価値を会社に認めてもらい、活動を継続的に拡大するには、経営貢献に直結させることは欠かせないのではと思います。
そのためには、何を目的にして、どの領域にフォーカスして活動すべきかを、少しロジカルに決めることが大切です。そこで参考にして頂けそうなサービスサイエンスの考え方をひとつを、簡単に紹介します。それは、成功しているサービス業が意識している4つのプロセスです。
そのプロセスとは、以下の4つです。
1、サービスを受けたい気になって頂く
2、サービスで満足して頂く
3、サービスを再度受けたい気になって頂く
4、サービスをオススメしたいと思って頂く
この4つをしっかりと分けて議論することが大切です。この中でも、2つ目の「サービスで満足して頂く」ということを意識していないサービス業はありません。しかし、その一歩手前の「サービスを受けたい気になって頂く」が上手くてまきなくて苦戦していることが非常に多いです。
また、「再度サービスを受けたいと思って頂く」は、実は大満足あるのみであることが分かっています。そこそこの満足では意味がないのです。このことを肝に命じて取り組まなければなりません。
更には、「サービスを誰かにオススメしたいと思って頂く」は、大満足だけではダメで、驚きや面白さなどのプラス要素が欠かせません。
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サービスサイエンス・CS向上・サービス改革・品質向上
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松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト
サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。 代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新